行って来ました 土佐へ 2003年5月、生姜や文旦の生産者、高知県のIさんを訪ねてきました。 農作業の落ち着く、連休明けに1度お会いしましょうとお約束をしていたのです。 2003年は年初に高知県で何年ぶりの積雪があり、 例年4月から5月にかけて販売している福原オレンジ・小夏が大きなダメージを受け、 販売できなくなってしまいました。 「袋をかけたりホルモン剤でも使ってれば、全滅ってことはないんだけど」 わたしも他の生産地にあたってみたり、手を尽くしましたが、納得できないものを販売するよりは、 と、代替品の販売はしませんでした。 畑の様子を見せていただき、来期にむけてお話をしてきました。 事前にお電話すると、「今文旦の受粉作業の真っ最中でね、お構いできませんが」とのこと。
文旦はなかなか気難しく、自家受粉(同種の花同士で受粉すること)では質のよい実を結ばないのだそうです。 そのため畑にも他の柑橘の樹を植えて蜂を飼ったりしていますが(左の写真は蜂の巣箱です)、受粉に適した時間は開花後約半日だけですので、それでは足りず、人間が手を貸して受粉させます。
左の写真は受粉前、真ん中が受粉中です。紅く色をつけた「小夏」の花粉を、耳掻のぽんぽんを利用した道具につけて、めしべにそっと置きます。こうやって満開の文旦の花、1つ1つに丁寧につけていきます。これを畑の樹、何本にも、そして毎日新しい花が開くたびに繰り返し作業するのです。 結局、お話は急斜面で一緒に作業をしながら、ということに。 お手伝いの皆さんとおしゃべりしながら、手だけは忙しく動かして、と、楽しく過ごしましたが・・・。 翌日足腰の筋肉痛と、ずっと腕を上げ続けていたための肩こりになってしまいました。 農作業は大変、でもデスクワークがほとんどの日常には大変な刺激になりました。 本当は、作業の様子や、産地の周辺をホームページ用に取材する、つもりだったんですけれど。 結局、受粉作業に夢中になって、写真はあまり撮れませんでした。 この花粉で、おいしい文旦になるのよ〜、とおまじないのように念じ、 作業をすること5時間、今年(2004年)は私の手で受粉した文旦が、混ざっているかも・・・。 産地の近くを流れる、仁淀川にも寄ってみるつもりでしたが、 作業を終えたらもうくたくた、あわただしく車に乗り込んで帰りました。 「もうちょっとお子さんが大きくなって、一人で泊れるようになったら、長い休みの時には私のところに寄越しなさい。自分たちが食べているものを、誰が、どうやって作っているか、都会の子は知らんでしょう。 そういうことを身近で見れば食べ物は無駄にしない、できないようになります。今の子はそういうことを知る機会がなくてかわいそうです。私らの生活にはご馳走はないけれど、勉強よりも、人間としてもっと大事なことが学べますよ。」 ・・今回の作業の合間にお話していて心に残った言葉でした。
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